プロジェクト
わがまちカンヴァス事業 H30

目的

大阪府が「おおさかカンヴァス推進事業」や「プラットフォーム形成支援事業」で蓄積した、公共空間活用のノウハウや理念等を府域に活かすこと。また、府内市町村における地域課題への取り組みを、アートやデザインを活用して技術的に支援することを目的としています。

プロジェクト概要

大阪市生野区

実施内容

[区役所]

  • 急増する外国人コミュニティの防災情報、生活情報の伝達が困難
  • 急増する外国人のコミュニティの把握ができていない

[外国人]

  • 役所からの防災情報、生活情報の入手が困難
  • 母国コミュニティから出ない

[地域住民]

  • 急増する外国人を知らない不安感

目標

  • やさしい日本語による新たなコミュニティづくり
    やさしい日本語を活用し、外国人同士、あるいは外国人と日本人の「出会いの場」をつくることにより、コミュニティの基盤となる「人と人」がつながるきっかけを創出する

プロセス

(1)地域の現状と課題の把握

  • 関係者ヒアリング
  • 現地調査

(2)プラットフォームの設計

  • コミュニティづくりに興味があり、イベントにも協力的な外国人を抽出

(3)ワークショップ開催

  • 外国人の視点から意見を抽出
    生野区マップを制作するにあたって、ランドマークとなる施設等を抽出
    “やさしい日本語”のロゴマークについて意見を抽出
    イベントを実施するにあたって、コミュニティツールやプログラムについて意見を抽出
  • KJ法による議論内容のカテゴライズ

(4)“TATAMI TALK”の実施

  • “やさしい日本語”の周知
  • 異文化の方たちとの交流、異文化理解

成果

プラットフォームの設計

“Tatami Talk”の来場者拡大の方策として、おもてなし側に協力してくれる人材を多数確保。いわゆるおもてなしは、様々なプログラムを提供することで、来場者をもてなし、楽しませる。当事業におけるおもてなしとは、区域で活動する区民団体やパフォーマー等になる。料理を提供してくれる店舗やパフォーマンス、舞台でのプログラム提供など、様々な国の方がおもてなし側として参加した。


“Tatami Talk”の実施

600名の来場があり、17プログラムを実施できた。多くの外国人、日本人が来場し、中国やベトナム、フィリピン、ミャンマーなど様々な国の料理や民族舞踊、音楽を提供。会話をするともらえるポイントを集めると料理と交換できるというゲームの要素も加わって、多様な国の言葉が飛び交う活発な交流の場が生み出された。
今回、異文化の人たちと交流を図りお互いの文化について知ってもらうことで、異文化の方たちとつながり、新たなコミュニティが生まれた。また、同じ国籍の方同士でも初めて会う方や久しぶりに会うなどで話が盛り上がり、コミュニティの輪が出来ており、今回のイベントがきっかけで、様々なコミュニティを創出することができた。

 

“やさしい日本語”マップの制作

生野区には多様な国籍の方たちが在住しており、自国の言語以外話せない方たちも多く、日本語が全く分からない方もいるので、“やさしい日本語”でおもてなしし、コミュニティ拠点となる店舗を掲載した多言語マップを制作。マップはやさしい日本語で、ハングル、中文、ベトナム語、英語、日本語の5ヶ国語を制作。“Tatami Talk”の参加者に配布するとともに、WEBでもダウンロードできるようにした。

 
泉南市

課題

「泉南市公共施設等最適化推進実施計画」に基づき集会施設の最適化を実践するにあたっては、利用する市民ニーズを把握した上で施設の活用可能性を検証し分類する必要がある。

[老人集会場の課題]

利用面における課題
  • 多くの老人集会場において、十分な利活用が図られていない
  • 老人集会場設置条例における設置目的ゆえに、若い世代をはじめとした多世代の利用がなされていない
  • 「老人」という名称が、若い世代の利用を遠ざけている
財政面の課題
  • 市の財政状況が逼迫する中、公共施設の再編が大きな課題となっている
  • 「泉南市公共施設最適化推進実施計画」に示されているように、老人集会場も再編の対象であり、今後の再編の方針づくりが課題である

目標

集会施設等の施設最適化を検討するにあたって、残し方のプロトタイプを考案し、モデル事業を実施する。

プロセス

(1)地域の現状と課題の把握

  • 関係者ヒアリング
  • 現地調査
  • 対象集会施設の抽出、選定

(2)プラットフォームの設計

  • ステークホルダーの整理、抽出
  • キーマンの選定、及び働きかけ、プラットフォーム形成に着手
  • 集会場の利活用について検討し、今後継続して実施運営する体制の構築

(3)ワークショップ開催

  • 地域の賑わいと多世代利用、集会場の収益性を検証する事業手法(フェス)の検討
  • 普段集会場を利活用している団体から意見を抽出
  • 集会場が地域の方たちの日常的に集う場所となるよう、日常的に集会場が利活用されるプログラムの検討
  • フェスの実施に向け、出店内容等の決定、出店者との調整や会場準備について役割分担

(4)“あがら新家フェスタ with WAO!”の実施

  • 老人集会場を貴重な地域施設として位置付け、活性化の社会実験を行う
  • 施設利用ルールの改変を見込んだ多世代利用のチャレンジを行う
  • 地域で持続的に維持管理していくため、ビジネス的視点の活用試行を行う

成果

プラットフォームの設計

社会実験の会場となった“新家上村集会場”の地区である新家地区の方たちを中心に呼びかけ、様々な世代の特技を持っている方たちに集まって頂き、おもてなし側として行政と協働し、チャレンジを実施。普段から様々なイベント等に参加して手作り雑貨を販売している方や、教室を運営している方、地域で飲食店を営んでいる方など様々な方たちが運営側として参画して頂けた。特技が無い方も会場運営として受付やアンケート対応、トイレ巡回等のお手伝いで参画。また、手作り販売については、会場配置や連絡等を代表して取りまとめて動いて頂ける方が出てきたりと、地域が主体的に動いていた。

あがら新家フェスタ&WAO!”の実施

34プログラムを展開し約500名の来場があったプログラム。
内容がマルシェや体験、ステージと多世代の方たちが楽しめる構成となっていたため、ご年配の方たちからお子さんまでご家族や友達同士で多数来場されており、様々なプログラムを楽しまれていた。また、フライヤーのデザインが子どもたちに好評だったこともあり、たくさんの子どもたちが友達同士で来場していた。
ボードアンケートでは、“どちらから来られましたか?”に対して、新家エリアの方たちが半数以上を占めていたが、信達、東信達エリアや樽井、雄心エリアの方たちが多数来場されており、他地区の方たちにとっても関心の高いフェスタであったと思う。



 
岬町

課題

  • 岬町の魅力を情報発信できていない
  • 住民のSNSリテラシーアップ
  • 関係人口の増加

目標

  • 岬町に訪れた方たちの滞在時間が少しでも長くなり、岬町を満喫してもらえるように、短時間から長期間楽しめるプログラムを抽出
  • プログラム同士の組み合わせや施設を体験してもらうことで、滞在時間を延ばしていく
  • 多奈川線沿線をフィールドに実施することで沿線活性化につなげていく
  • いままでリーチできなかった住民の参加
  • コアメンバーによる、ワークショップサポートチームの結成

プロセス

(1)地域の現状と課題の把握

  • 関係者ヒアリング
  • 現地調査

(2)プラットフォームの設計

  • コミュニティづくりに興味がある住民を抽出
  • enocoポッセ(enocoボランティア)と協働し、町外から岬町へプレーヤーを送り込む

(3)コアワークショップ開催

  • enocoポッセ(enocoボランティア)が岬町を知るワークショップを開催
  • 町民がenocoポッセ(enocoボランティア)と出会うワークショップを開催

(4)「ミサキノ編集教室」の実施

  • 文章・写真の実践者からオンザジョブ的に「考え方」を学ぶワークショップを開催
  • まちづくり交流館で岬町内外の住民がワークショップを機会に繋がりをもつ

成果

プラットフォームの設計

コミュニティづくりに興味がある住民を抽出
シルバー人材センター長やミサキノヒトフクの大家さん、岬町の若手職員、罠猟の猟師など、個性豊かなプレーヤーの存在が見えた。

コアワークショップの開催

岬町のリソースを整理
魅力的な食材と生産者の存在。海産物・ジビエ・野菜
「食」にまつわるテーマがキーワードになれば、岬町のファン人口増加につながる。

「ミサキノ編集教室」の実施

SNSリテラシーの向上のため文章と写真の講師を招聘しオンザジョブ的ワークショップの実施
講師に文章・写真の専門分野に加え、マルチな活動をされている中川氏、日根野氏を迎えたことにより、福祉・町おこし協力隊・観光などSNSリテラシーアップに加え、住民に対して岬町の可能性を提示できた

多奈川線沿線活性化ワークショップの実施

人的資源の発掘
人的資源 町内には岬町への思いを持った今後のプレイヤーとなれる人々が多数存在し、属する領域や年齢も様々だった。
また今回、enocoのポッセが岬町に入り岬町民とワークショップで協働したことにより、新たなコンテンツや特産品につながる可能性が見出された。
あわせて、ワークショップ等の開催を通じて出会った町内外の参加者が自主的にイベントやワークショップなどを企画、開催し、岬町をフィールドにまちづくりの活動に取組み始めている。これらは少子高齢化が進行する岬町において、町外からの参加者はまちづくりに携わる貴重なプレイヤーになり得る存在であり、これら活動を継続していくことにより、関係人口の創出が期待できる。

交流の場を設け、関係人口の増加を図る
コアワークショップで出会った、町外住民が岬町の食材の豊かさに触れ、「ミサキノスパイス」という地元食材でカレーをつくる活動を始めた。

 
Copyright © Enokojima Art, Culture and Creative Center, Osaka Prefecture. All Rights Reserved.