本事業のねらい・趣 旨
大阪府立江之子島文化芸術創造センターは、新規事業として2023年2月より、若手アーティストに多目的ルームをスタジオとして貸し出し、創作活動の支援をおこなうアーティスト・イン・レジデンス事業(ESSAP)を開始しました。
本事業の実施概要
enoco を文化芸術の拠点として更に機能させるため、人ともの、アートが行き交う場づくりにより地域の活性化を目指します。ESSAPでは、関西を拠点に活動する若手アーティストに3週間程度、無償で創作拠点を提供し、成果発表としてトークイベントやワークショップ、作品の展示などをしていただきます。このプログラムによって、大阪にてアーティスト活動をおこなう上でのきっかけづくりや人にとってアートが身近なものであることを体感していただきます。
本事業の目標
本事業では、滞在作家だけではなく、関西圏で、活動をしているキュレーター・デザイナー・製本家・インストーラーを含め、多方面の分野から、若手の活躍・活動拠点を支援することも目標としています。京都府に文化庁が移転したことで、大阪だけではなく、関西の芸術に関わる人材が育ち、世界へと渡ることのできるように手助けができるハブの役割を担います。
本事業の社会的な役 割 ・効 果
パンデミックの時代になり、自分たちから失われたものの大切さに気づき、限られた活動の中で“自分自身の人生にあらためて目を向ける”ということが必要になりつつあります。そのような現代社会において、芸術はより私たちの生活の中で新たな視点をもたらすための近い存在となり、そっと近くにいるような気がしています。芸術の役割とは、先端的な分野の充実と、地域文化の活性化の両面があります。先端的な文化・芸術が充実することにより、将来を担う創造性のある人間、企業・産業が当該都市に誘引され、世界中から観光客が訪れる可能性につながります。この結果、当該都市の魅力が向上し、 経済面でも成功を収めることになるとも考えます。それには提供されるアート、音楽、舞台芸術等が、先端的でクオリティの高いものである必要があります。 学校やコミュニティにおけるワークショッップなどを含む様々な取り組みは、文化・芸術に参加する人々を育て、地域の活力を増進することになります。これは単に文化・芸術の普及にとどまらず、人が芸術への関心・理解を高めることにより、将来の新たな市場の創造や維持、社会包摂の一環として教育との連携による人材育成にもつながり、影響を与えることになると考えます。
西村 涼(Ryo Nishimura)
1993年生まれ。2016年 京都精華大学 芸術学部メディア造形学科版画コース卒業。
2018年京都市立芸術大学 大学院美術研究科 修士課程絵画専攻 版画修了。
近年の展覧会に、Elements PETER AUGUSTUS アメリカ / ダラス (2022)
NEW INTIMACIES WILD WILD WEST Gallery PARC / 京都 (2022)
わだちをなぞる アートゾーン神楽岡 / 京都 (2022)
第3回PATinKyoto京都版画トリエンナーレ2022 京都市京セラ美術館/ 京都 (2022)
滞在制作・ワークショップについて
滞在アーティストの西村涼(にしむら・りょう) による版画の魅力を探るオープンスタジオを開催。地域創造のため、アーティストが地域の方々と公開の共同制作をおこなった。共同制作の作品は、enoco ギャラリーにて展示を予定。
版画の分野の中でも、石膏刷りという技法を選択し、レジデンスという環境や道具などに”不足”が生じても流動性、適応性のある支持体を使用することにより、作品制作を実現。
上/展覧会風景
下/西村の作品※詳しくは当館のレジデンス冊子に記載。
会場|大阪府立江之子島文化芸術創造センター[enoco] 4F ROOM2
期間 | 2023.4.15(土)-5.14(日)
時間 | 11:00-19:00(最終日16:00まで) 月曜休館 / 入場無料
Event : 5/6(土)15:00-17:00
アーティストトーク:西村涼(版画家)×峰拡(アートマネージャー) 司会:平田万葉(現代美術家・大学非常勤講師)
協力 : ART PASS
・Vol.1レジデンスアーティストの西村涼の記録集の記録集発行。持ち出しは不可ですが、版画の作品のような美しい製本に仕上がっております。
・Vo.2レジデンスアーティストの宮木亜菜の記録集発行。
・Vol.3は現在成果展開催中です。
当館の受付にてレジデンス記録集が無料閲覧できます。ぜひお立ち寄りの際はご観覧くださいませ。