博覧会の残像

2025年10月に大阪・関西万博が閉幕を迎えますが、19世紀に世界中に広がった博覧会という制度が積み残してきたさまざまな課題が多々あるという意味では、博覧会は未だ終わっていないとも言えます。博覧会は資本主義やツーリズム、レイシズム、コロニアリズム、戦争などとも深く関わっており、産業製品の展示を通じた国威発揚という側面もありました。

キュレーターの小原真史氏が所蔵する博覧会関係資料から構成される本展では、1903年に大阪で開催された第五回内国勧業博覧会で物議をかもした人類館をはじめ、1912年と13年に東京と大阪で植民地をテーマにして開催された拓殖博覧会、1930年代から各地で開催された国防博覧会など、華やかな博覧会のイメージに隠れてきた側面に着目します。関西での万博開催と戦後80年を機にあらためて博覧会とは何だったのかを問い直します。

 

キュレーター プロフィール

小原真史(こはら・まさし)

東京工芸大学准教授。主な著書に、『富士幻景――近代日本と富士の病』『帝国の祭典――博覧会と〈人間の展示〉』など。監督作品に『カメラになった男――写真家中平卓馬』がある。主な展覧会企画に、「荒木経惟写真集展 アラーキー」「小島一郎 北へ/北から」展、「宮崎学 自然の鉛筆」展、「増山たづ子 すべて写真になる日まで」展、「イッツ・ア・スモールワールド:帝国の祭典と人間の展示」展、「スペクタクルの博覧会」展など。重森弘淹写真評論賞、日本写真協会賞学芸賞などを受賞。

 

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展覧会概要

展覧会名              博覧会の残像

会期                     2025年10月15日(水) ~ 19日(日)

開催時間              11:00~20:00 / 最終日10月19日は11:00〜16:00

会場                     大阪府立江之子島文化芸術創造センター[enoco] ルーム2

入場料                 500円(高校生以下無料)

主催                     関西沖縄文庫

キュレーター       小原真史

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